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26th Biwako International Flute Competition (for solo competition) in 2023
2023年 第26回びわ湖国際フルートコンクール課題曲(独奏曲)

Scenes of an Ancient Lake Yabase

矢橋の帰帆

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矢橋の帰帆
Scenes of an Ancient Lake Yabase

【曲の解説】

 2023年「第26回びわ湖国際フルートコンクール課題曲(独奏曲)」として実行委員会からのご依頼を受けて作曲。この機会に琵琶湖に由来するテーマで、日本人としての情感を作風に反映させることのできる内容を考えました。  タイトルである「矢橋の帰帆」(やばせのきはん)は、歌川広重の浮世絵「近江八景」に基づいています。矢橋は滋賀県草津市の地名で、矢橋から船に乗って対岸に渡ると東海道への近道になり、古くから琵琶湖岸の港町として栄えたそうです。現在は矢橋帰帆島が建設され当時の風景を見ることはできませんが、想像を膨らませ、舟の行き交う様子や人々の暮らしを抒情的に描きました。フルートの技術を追求するだけに留まらず、和の空気感を探求して頂けましたら幸いです。  最後になりましたが、作曲にあたり実行委員長である白石孝子先生から多くのご助言を頂きましたこと、心より感謝申し上げます。

 

【Program Notes】

This piece was commissioned by the Executive Committee as a prescribed piece for the "26th Biwako International Flute Competition (for solo competition)" in 2023. I took this opportunity to consider material on a theme associated with Lake Biwa that would be reflective of the Japanese sentiment in the style of the piece.

The title, Yabase no Kihan (Scenes of an Ancient Lake Yabase) is based on an ukiyo-e print by Hiroshige Utagawa, from the series called Omi Hakkei (Eight Views of Omi). Yabase is the name of a place in Kusatsu City, Shiga Prefecture. Taking a boat from Yabase to the other side of the river offers a shortcut to the Tokaido Road, and the area is said to have been a prosperous port on the shore of Lake Biwa since ancient times. Today, with the construction of the artificial Yabase-Kihan Island, the landscape as it would have been at that time can no longer be seen, but by giving free rein to my imagination, I have attempted a lyrical depiction of the lives of the people and the comings and goings of the boats in the harbor. Beyond pursuit of the technical aspects of the flute performance, I hope that you will also be able to explore the Japanese ambience of the piece.

Last but not least, I wish to express my sincere gratitude to Ms. Takako Shiraishi, Executive Committee Chairman, for her generous advice in the composition of this piece.

作曲者 八木澤教司
Composed by Satoshi Yagisawa

【八木澤教司プロフィール】

 武蔵野音楽大学作曲学科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。2020年度より関東から関西に拠点を移し、神戸女学院大学音楽学部で作曲、吹奏楽、音楽理論の指導にあたる。  2019年11月9日天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」として、東京2020パラリンピック開会式の式典音楽として作品がそれぞれ抜擢された。合唱曲として手がけた《あすという日が》は“希望の歌”“東日本大震災復興シンボル曲”と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川りみ、秋川雅史の両氏によって熱唱された。  第21回日本管打・吹奏楽アカデミー賞[作・編曲部門](2011年)受賞、平成23年度JBA下谷奨励賞を受賞。  主なフルートの作品として「トリプルあいす」「パフェ・パラダイス!」「チョコふぇすっ!」「フィオリトゥーラ」「コロラトゥーラ」「風の戯れ」「秋紅の舞」「テルミニ」「心に染みる5つの言葉」「ディヴェルティメント」「そよ風の吹く杜で…」など。 八木澤教司公式ホームページ https://sounds-eightree.com


Satoshi YAGISAWA was born in 1975 in Japan and graduated from the prestigious Musashino Academia Musicae with a degree in composition. He later continued his studies there graduating with master's degree in composition two years later. His works for wind orchestra are popular in Japan and in many countries and are published by Hal Leonard Europe (de haske) and Japanese publishers. They have been performed widely at the World Association for Symphonic Bands and Ensembles Conferences (WASBE) and the Midwest Band & Orchestra Clinic in Chicago. In Japan, he was commissioned by the National Sports Festival to compose the opening ceremonial music. Currently, he is teaching at KOBE COLLEGE in Japan. He is one of the most prolific composers in Japan today and was awarded the 21st Japan Academic Society of Winds, Percussion and Brass Award (2011) and the Japanese Band Directors Association Shitaya Encouragement Award (2011). His major Flute works include Fioritura; Triple Scoop Ice Cream; Capricious Winds and Maple Dance. Satoshi YAGISAWA Website https://sounds-eightree.com


ご購入
How to buy

ぬくもりの庭
My Cozy Garden
 

 2017年に浅利真さん(ヴィーヴ!サクソフォーン・クヮルテット)の提案でバリトン・サクソフォーンのために作曲した「陽のあたる庭」の連作として、フルートとアルト・サクソフォーンのソロ・レパートリー「ぬくもりの庭」を作曲しました。

 2018年の夏に父が他界しました。父との想い出はたくさんありますが特に幼少の頃に一緒に散歩しながら会話した、ぬくもりのある時間が大切な記憶です。そんな想いをエッセイ風に綴った2分半の温かい小品で、私の吹奏楽曲「死者の支配する国~崇高なる光に包まれて」(2005年)のコラールを引用しています。

 フルート版を横山聡子さん(ピアノ:南雲彩さん)、アルト・サクソフォーン版を松下洋さん(ピアノ:黒岩航紀さん)によってそれぞれ世界初演され、今回の出版にあたってトランペットやユーフォニアムなどのソロでも演奏できるようにしました。

又、ピアノだけではなく吹奏楽伴奏でも演奏でき、吹奏楽伴奏版はウインドアート出版から販売されています。今後は幅広い機会で演奏されることを願っています。


夕暮れの庭
My Sunset Garden
 

 2017年から開始した「陽のあたる庭」「ぬくもりの庭」に続く“私の庭シリーズ”3作目、ソロ楽器とピアノのためのレパートリーとして「夕暮れの庭」を作曲しました。

 2020年夏、現在は世界中が新型コロナウイルスの影響で先の見えない不安に包まれている状況です。しかし、こんな状況下だからこそ、できる限り心穏やかに過ごしたいものです。少しでも皆様が温かい気持ちになれるきっかけをと思い、このシリーズを続けることにしました。

 「夕暮れの庭」は、私の吹奏楽曲で、ヨーロッパで歴史的に権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に選定された「碧き宇宙ー生命の雫」のコラールを引用しています。

 ソロは、フルート、バスーン、クラリネット、バス・クラリネット、アルト・サクソフォーン、バリトン・サクソフォーン、トランペット、ユーフォニアムで演奏できるようにしています。

  また、ピアノだけでなく吹奏楽伴奏でも演奏でき、吹奏楽伴奏版はウインドアート出版から販売されています。今後、幅広い機会で演奏されることを願っています。


南風が吹いたら
WIND OF HOPE
 

 私は岩手県出身で、東北は音楽家として何度も訪れ、親しい仲間たちもたくさん住んでいる地域です。合唱曲《あすという日が》は、東日本大震災の復興シンボル曲として多くの方々に歌われてきましたが、これは2006年に作曲したもので、震災のために作曲したものではありません。いつの日か、何かをしなくてはならないという想いを抱きながら10年が経とうとする中で、曲作りの過程を追いかけたドキュメンタリー番組が企画され、被災地に向かい、現地で活動している方々と出会い、被災直後の様子やその後のお話を伺う機会を得ました。私自身が出演した『私たちの震災10年目~あの日を伝えるアンサンブル』は、テレビ埼玉をはじめ計6局で放送されました。

 

「震災の記憶を風化させてはいけない」

「被災地で活動している方を応援したい」

 

という思いから、妻と共に全身全霊で生み出した応援歌。完成した曲は、海上自衛隊横須賀音楽隊(歌唱:三宅由佳莉3等海曹)により番組内で初演されました。

 作詞は妻が担当し「春に吹く暖かな南風が、冬の凍てついた寒さを和らげていくように、誰の心にも温かさを吹き込んで、前向きに生きてほしい」という願いが込められています。

 


陽のあたる庭
My Sunny Garden
 

 バリトン・サクソフォーン奏者の浅利真さん(ヴィーヴ!サクソフォーン・クヮルテット)の提案もあり、私の吹奏楽曲の代表作でもある「太陽への讃歌 ̶大地の鼓動」(2005年)のコラールを基に2016年に作曲したのが「陽のあたる庭」です。木漏れ日のあたる温かな庭(憩いの空間)をイメージした耳馴染みやすい小品に仕上げましたのでリラックスしてお楽しみください。

 原曲はバリトン・サクソフォーンのソロ曲ではありましたが今回の出版にあたってバスーン、クラリネット、バス・クラリネット、ユーフォニアム、テューバ、フルートのソロでも演奏できるようにしました。

 又、ピアノだけではなく吹奏楽伴奏でも演奏できる作品で、吹奏楽伴奏版はウインドアート出版から販売されています。今後は幅広い機会で演奏されることを願っています。

 


ヘリオドール
HELIODOR
 

 原曲は横浜ユーフォニアム合奏団令和3年度委嘱作品として、2本のユーフォニアムとピアノのために作曲しました。

 ヘリオドール(太陽の贈り物)は「人生を切り開く力」があると言われる石です。私は作曲家としてデビューしたばかりの頃に、ユーフォニアム奏者の深石宗太郎先生と出会いました。毎年のようにユーフォニアム・テューバアンサンブルの新作を初演していただくだけでなく、演奏家としての視点で作品に対して様々なご助言をくださいました。深石先生と共に新しいレパートリーを開発してきたことは、私が作曲家として世界に認知されるきっかけの一つとなり、まさにタイトル通り「人生を切り開く」ことになる出会いでした。そうした感謝の意味と共に、この作品をこれから演奏するであろう奏者にとって未来が開かれるように願いを込めて作曲しました。小品ではありますが、ソロの魅力を存分に追求できる内容に仕上げましたので、様々な機会で演奏していただけましたら幸いです。

 なお、このソロ版は深石先生のご提案もあり、様々な楽器で演奏できるレパートリーとして改訂したもので、原曲にはなかったカデンツァも加えました。