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【新譜紹介】アメリカ、TRN社より

秋山紀夫のバンド指導ヒント

アメリカ、TRN社2015年新譜

今回はアメリカのTRN出版社の新刊を紹介しましょう。
TRN出版社はホルシンガーの作品が出版されていますので知られていますが、TRNと言う名前が「Thats' Really Nice(それはとてもナイス!)」の頭文字であることはあまり知られていません。
2015年の新譜は15曲中グレード3以上の主な曲は次の通りです。

  1. リーズの夏の日(ホルシンガー)
  2. ブラジルの幽霊(アレン)
  3. 飛行の気分(ラス)
  4. ヒル・カントリー・モザイク(ラス)
  5. 活動的なブラス(サドラー)
  6. お正月(イヴランド)
  7. ルネッサンスの詩編(ラボウンティ)
  8. 交響的合成(キャンフィールド)
  9. 仮装行列(レクオーナ)

リーズの夏の日(ホルシンガー)

リーズの夏の日(ホルシンガー)  デイヴィッド・ホルシンガーの作品。リーズは作曲者の二人目の孫娘で、いかにも少女らしく、ダンスが好きで愛らしいそうですが、その孫娘の夏のある日を画いた曲です。
 木管楽器のアンサンブルで軽快に楽しげに開始され、のどかな旋律が歌い出されます。リズムのバックは変わらず、その上に楽しげな旋律が次々に歌われます。そのリズムでディミヌエンドしながら静かに終わります。
 しゃれた楽しい曲。グレード3.5で、4分36秒。お薦めです。
 

 


ブラジルの幽霊(アレン)

ブラジルの幽霊(アレン)  フレッド・アレンの作品。テキサス州の中学校バンドの委嘱で作曲。この学校のある町は綿工場があり、そこで働いていた黒人奴隷がつらい労働で逃げ出し、近くのブラゾス河で溺れて、その幽霊が出たという伝説によって作られた曲です。
 ティンパニが不気味な木管の動きを導き出し、不気味に和音が高まります。ゆっくりした短調の旋律が黒人の過酷な労働を表現します。木管が悲痛な響きを聴かせますが、そのあと、明るい長調の聖歌が亡くなった人々を悼むように奏せられます。終わりは短調に戻って、曲を閉じます。
 グレード3.5で6分32秒。
 

 


飛行の気分(ラス)

飛行の気分(ラス)  エリック・ラスの作品。トランペットのレガートなソロで開始されますが、すぐ速い主部に入ります。明るく軽快な旋律です。ホルンも高鳴り、弾む心が表現されます。中間部は速度を緩め、中音楽器が緩やかに歌います。巧みに転調しながら、速い主部に戻り、3部形式の曲を閉じます。
 タイトル通りの「飛行の気分」を味わえる作品です。
 グレード3、7分32秒。
 

 


ヒル・カントリー・モザイク(ラス)

ヒル・カントリー・モザイク(ラス)  「高地のモザイク」というこの曲はエリック・ラスの作品。テキサス州のセンターの大部分を占める「ヒル・カントリー」地域の自然だけでなく、人々の信仰、習慣、文化、政治を敬う気持ちを描いた曲です。
 静かに金管が歌うように開始されますが、次第に輝きを増し、ピアノや打楽器による風変りなブリッジのあと、クライマックスを作り終わります。
 グレード4、7分12秒。
 

 


活動的なブラス(サドラー)

活動的なブラス(サドラー)  ブライアン・サドラーの作品。タイトルが示すように金管楽器により速いテンポで元気よく開始されます。テューバ・セクションとトロンボーン・セクションが対話的に掛け合いながら進み、次の部分では木管がゆっくりとハーモニックに歌い、前半部とは対照的になります。金管が加わって再びテンポを速め、ボレロ風なリズムで高まりますが、途中でプツンと途切れたように終わってしまいます。
 グレード4、4分。
 

 


お正月(イヴランド)

お正月(イヴランド)  日本語のタイトルですが、作曲者はアメリカ人のデニス・イヴランド。衝撃的な和音で始まり、主部は打楽器をバックに作曲者が日本的と感じる旋律が聴かれます。遅い中間部は木管のソロに始まります。再び速い主部に戻り、3部形式を作って終わります。終わりにアメリカのマーチ風な長調の旋律が,木に竹を接いだように突然現れます。
 グレード4、4分45秒。
 

 


ルネッサンスの詩編(ラボウンティ)

ルネッサンスの詩編(ラボウンティ)  アンソニー・ラボウンティの作品。木管により静かにハーモニックに開始され、ヴィブラフォンの響きの上にホルンが美しく歌い出します。ルネッサンス時代のコラールによる旋律ですが、バスーンや他のソロ楽器が、現代風なサウンドでまとわりついてきます。金管楽器も加わって次第に激しさを増し、その頂点で輝かしいコラールがオルガンのような壮大な和音で現れます。ティンパニの響きとともに静かな新しい主題が歌い出され、テンポを速め、金管による現代音楽的な響きが聴かれ、また静かで不安定な木管のアンサンブルで終わります。
 今までの吹奏楽には無い、珍しい響きと表現を持つ曲です。挑戦してみる価値は充分にあります。
 グレード5、7分42秒。
 

 


交響的合成(キャンフィールド)

交響的合成(キャンフィールド)  この少し変わったタイトルの曲はデヴィッド・キャンフィールドの作品。「シンセシス」は「混合」とか「合成」の意味です。バスクラのソロで静かに神秘的に開始され、ゴングなどの打楽器や低音楽器が不気味な雰囲気で加わります。速い主部は各楽器が動き回り、いろいろな音が次々に現われます。
 そんなところから「合成」のタイトルがつけられたのでしょう。各パートとも充分な技術と表現力が要求される難しい曲です。最後はテンポを緩め、静かに消えかかりますが、再び激しさを加え、もう一度クライマックスを作って終わります。現代音楽的な表現が出来るバンドは挑戦してみると良いでしょう。
 グレード5、6分26秒。
 

 


仮装行列(レクオーナ)

仮装行列(レクオーナ)  キューバのレクオーナ(1896年8月6日 - 1963年11月29日)の原作「アフロ・キューバ舞曲集」からの1曲で、ベン・ウォーカーの編曲。バスーン等が特徴的なキューバ舞曲のリズムを奏し、その上に木管が短調の主旋律を提示し、長調に転調したりしながら進みますが、短く終わってしまいます。
 グレード3.5、2分03秒。
 

 



秋山紀夫【あきやま・としお】 秋山紀夫
 前ソニー吹奏楽団常任指揮者。現おおみや市民吹奏楽団音楽ディレクター。(社)日本吹奏楽指導者協会名誉会長、(社)全日本吹奏楽連盟名誉会員、アジア・パシフィック吹奏楽指導者協会名誉会長、WASBE(世界吹奏楽会議)名誉会員、浜松市音楽文化名誉顧問、アメリカン・バンド・マスターズ・アソシエーション名誉会員。ソニー吹奏楽団名誉指揮者。

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