作曲者 | Gordon Jacob(ゴードン・ジェイコブ) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | ジェイコブはいくつかの重要なバンドの作品を書いていますが、初期にはイギリスのエリザベス女王時代の古い音楽に興味をもっており、その結果この曲が生まれました。というのは、ウイリアム・バードは1543年か44年(詳細は不明)に生まれ、1623年に亡くなったイギリスの作曲家で、マドリガル学校の創立者であり、合唱曲や鍵盤曲を多く残した人で、そのバードが書いた「フィッツウイリアム・ヴァージナル・ブック」のなかから6曲を選んで吹奏楽曲に編曲したのが、この曲だからです。組曲は6つの楽章からできています。 第1楽章 オックスフォード伯爵の行進曲 The Earle of Oxford’s Marche【3:34】 この曲は「The Marche before the Battle(戦いの前の行進曲)」という別なタイトルをもっています(バードは他の曲にもかなり描写的なタイトルをつけています)。 木管によりゆっくりとはじめられますが、次第に戦いのマーチという副題にふさわしい盛りあがりを見せます。 第2楽章 パバーナ Pavana【2:49】 レントのゆっくりとしたト短調のコラール風な曲。木管ではじめられ、中間でブラス・クワイアとなり再び木管に戻ります。17世紀ルネッサンス後期の格調高い曲です。 第3楽章 ジョン、今キスして John, Come Kiss Me Now【1:59】 世俗マドリガルの1つで、典型的なイギリスのスタイルをもっていて、8小節のテーマによる変奏曲の型をとっています。木管からやさしくスタートし、金管が対位法に絡まり高まってゆき、やがてまた静かに終わります。 第4楽章 メイデンの歌 The Mayden’s Song【4:53】 17世紀イギリスの代表的な輪唱(ラウンド)の形式の3/4拍子の美しい曲。後半は厚いアレンジとなり、各楽器が動きまわります。 第5楽章 Wolsey’s Wilde(ウルジーの荒地)【2:10】 6/8拍子のスコットランド舞曲風な楽しげな曲。 第6楽章 鐘 The Bells【4:17】 この曲は「Variation on a Ground」という別なタイトルをもち、3/4拍子でテューバのオッシナートの上にユーフォニアムとトランペットがカノンを奏しはじめ、ホルンも加わります。やさしさに満ちたカノンですが、次第に高まり、やがて9/8拍子のこまかいリズムとなり、タイトルのようにベルも加わって高潮して終わります。 以上のようにバードがハープシコード(ヴァージナル)の曲集として作曲したアルバムから、ジェイコブが巧みな編曲で吹奏楽の厚い色彩豊かな響きに変え、全体に楽しげな、幸福なムードにあふれる音楽につくり替えたことは、その素晴らしい手腕のあらわれです。 (秋山紀夫) |
編成 | CONDUCTOR SCORE (FULL SCORE) PICCOLO FLUTE OBOE BASSOON 1 BASSOON 2 EB CLARINET SOLO BB CLARINET BB CLARINET 1 BB CLARINET 2 BB CLARINET 3 EB ALTO CLARINET BB BASS CLARINET EB ALTO SAXOPHONE BB TENOR SAXOPHONE EB BARITONE SAXOPHONE BASS SAXOPHONE/CNTRABASS CLRNT BB CORNET 1 BB CORNET 2 BB TRUMPET 1,2 F HORN 1 & 2 F HORN 3 & 4 TROMBONE 1 TROMBONE 2 TROMBONE 3 BARITONE B.C. BARITONE T.C. TUBA STRING BASS PERCUSSION 1 PERCUSSION 2 |