作曲者 | Alfred Reed(アルフレッド・リード) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | この曲はサブ・タイトルが「アルメニアの復活祭の賛歌による変奏曲(Variations on an Armenian Easter Hymn)」とつけられていて、7世紀頃のアルメニアの古い聖歌を主題とした変奏曲です。リードは、イリノイ大学のバンドとその指揮者でアルメニア系のハリー・ビジンに捧げた「アルメニア舞曲」という4楽章の曲を作曲しましたが、この曲は、そのビジンがパデュー大学バンドの指揮にあたったため、再びアルメニアの曲を主題にとりあげたものです。 曲は序奏、主題と5つの変奏曲、そしてフィナーレから構成されています。 序奏は木管の鋭い上行形のフレーズにより、金管をバックに、16分3連符が連続するこまかい動きで開始され、ホルンとコルネットが賛歌のテーマを高らかに奏します。金管がファンファーレ風に高まって終わると、替わってフルートが静かにテーマを奏し、オーボーの2重奏、木管のコラールと続き、静かに序奏を終わります。 主題はクラリネットを中心に、木管のコラールで提示され、ミュートをつけたトロンボーンのファンファーレが各フレーズの終わりにきかれます。 第1変奏は2/4拍子のアレグレットで、木管のリズミカルな16分音符の動きを中心に、アルト・サクソフォーンなどがテーマの断片を奏する軽快な部分で、クライマックスではホルンとコルネットがカノン風にテーマを奏で、再び静かになって終わります。 第2変奏は3/4拍子の、木管を中心に奏せられる、レガートで表情に富んだ美しい部分で、ハープも効果的に加わります。 第3変奏は6/8拍子で低音の金管が力強いリズムを刻み、この金管が奏でるリズム形をもとに、高音の金管が主題を変奏します。中間部では静かになって木管が歌いますが、再びはじめの力強いリズムに戻って、休止なしに第4変奏に入ります。 第4変奏は、4/4拍子のゆっくりとしたクラリネットやフルートのソロによるカデンツァ風な部分です。 ここは作曲者のただし書きにもとづき、パデュー大学が初演の時演奏したように、クラリネットのソロはソプラノ・サクソフォーンのソロで演奏するとよいでしょう。 第5変奏は、再び2/4拍子に戻って、テンポを速め、フーガ風に変奏曲が繰り広げられるリードのすぐれた作曲の手法を充分示している充実したエキサイティングな変奏曲で、そのままゆっくりとしたフィナーレに入り、テュッティで高らかにテーマが奏せられ、3本のトランペットと3本のトロンボーンによるブラス・アンサンブルも華やかに加わり、曲を盛りあげ、輝かしく力強いエンディングを形作り終わります。 リードの力作の1つです。この曲は、1987年4月19日(イースターの日曜日)に、ハリー・ビジン指揮のパデュー大学シンフォニック・バンドにより初演されました。 (秋山紀夫) |
編成 | スコア識別 Full Score 木管楽器 Piccolo/Flute 3 Flutes 1&2 Oboes 1&2 English Horn Bassoons 1&2 Contrabassoon(Opt.) Eb Clarinet Bb Clarinet 1 Bb Clarinet 2 Bb Clarinet 3 Eb Alto Clarinet Bb Contrabass Clarinet Eb Alto Saxophone 1 Eb Alto Saxophone 2 Bb Tenor Saxophone Eb Baritone Saxophone 金管・弦楽器 F Horns 1&2 F Horns 3&4 Bb Trumpets 1&2 Bb Trumpet 3 Bb Cornets 1&2 Trombone 1 Trombone 2 Trombone 3 Baritone Tuba String Bass 打楽器(その他) Timpani Percussion 1 (Triangle,Suspended Cymbal,Pair of Cymbals,Bass Drum,Bells,Chimes) Harp (Option) |