作曲者 | Paul Hindemith(ポール・ヒンデミット) |
シリーズ | 輸入クラシックアレンジ(中上級) |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | この「交響曲変ロ調」は、アメリカ陸軍軍隊隊長ヒュー・カーリー少佐の委嘱作品で、1950年から51年にかけて作曲され、51年4月5日、ワシントンで作曲者の指揮により同軍楽隊の演奏で初演されました。吹奏楽のための交響曲の中でも最も優れた作品です。主題の展開、対位法、フーガの使い方等、技術的に見てこれだけ優れた作曲技法で書かれた吹奏楽曲は少なく、今世紀に書かれた吹奏楽曲として最高の傑作といえます。 曲は次のように3つの楽章からできています。 第1楽章 ... 活気をもって普通の速さで序奏ではなく、トランペットとコルネットで奏せられる明快な第1主題で開始されます。この主題を木管が繰り返し、オーボーの副主題のあと、木管の奏するなめらかな第2主題があらわれて提示部を終わります。展開部はサクソフォーンを中心とする跳ねるような音型の上にコルネットが歌います。再現部はフルートとオーボーがはじめの金管のテーマを奏し、形式どおり第2主題を経て、力強く終わります。 第2楽章 ... やや遅く優美にコルネットのソロで第1主題が歌われ、アルト・サクソフォーンが絡まります。中間部は木管による軽快な舞曲風な部分となり、木管の印象的なユニゾンの音型も出て、この2つのテーマが絡み合って静かに曲を閉じます。 第3楽章 ... フーガ やや幅広く全楽器のテュッティでフーガの主題が提示され、9小節の前奏のあと、コルネットを先頭にフーガがはじまります。 フーガが一段落すると、第1楽章のテーマを変形したなめらかなメロディが、バス・クラリネットやバスーンで提示され、この主題もフーガをつくり、また一段落してフェルマータで止まります。次に2つのフーガのテーマを用いて2重フーガがはじまり、さらにそこにトランペット・トロンボーンが第1楽章のはじめのテーマを高らかに奏して加わり、この3つの主題が見事に絡み合ってクライマックスをつくります。 (秋山紀夫) |
編成 | Full Score/Piccolo/1st Flute/2nd Flute/1st Oboe/2nd Oboe/Solo Clarinet/Eb Clarinet/1st Clarinet in Bb/2nd Clarinet in Bb/3rd Clarinet in Bb/Alto Clarinet/Bass Clarinet/Contra Alto Clarinet/1st Bassoon/2nd Bassoon/1st Alto Saxophone/2nd Alto Saxophone/Tenor Saxophone/Baritone Saxophone/1st Trumpet in Bb/2nd Trumpet in Bb/Solo Cornet/1st Cornet in Bb/2nd Cornet in Bb/1st Horn in F/2nd Horn in F/3rd Horn in F/4th Horn in F/1st Trombone/2nd Trombone/3rd Trombone/Euphonium/Tuba/String Bass/Timpani |