編曲者 | Frederick Fennell(フレデリック・フェネル) |
作曲者 | Igor Stravinsky(イーゴリ・ストラヴィンスキー) |
シリーズ | 輸入クラシックアレンジ(中上級) |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 1908年、リムスキー=コルサコフの娘の結婚を祝って作曲した管弦楽曲「花火」によってロシアバレエ団の主宰者ディアギレフに認められ、バレエ団のための第1作として作曲したのが、この「火の鳥」です。 曲は1910年5月にペテルブルグで完成され、同年6月パリのオペラ座で初演され、ストラヴィンスキーはヨーロッパ楽壇への衝撃的なデビューを飾りました。そして20世紀最大の現代音楽家として、20世紀の音楽の方向を決定づけました。さらに同バレエ団のために「ペトルシュカ」(1911)、第3作の「春の祭典」(1913)をたて続けにパリで発表し、彼の名を不動のものとしたのです。 「火の鳥」のストーリーはロシア民話の1つで、次のような物語です。 ──猟に出たイワンは森の奥深くさまよい、黄金の実のなった魔法の木をみつける。そこに目のくらむような光を出す火の鳥がとんでくる。イワンは1度は失敗するが火の鳥をつかまえる。しかし、火の鳥の願いを受け入れ助けると、お礼に1本の黄金の矢をもらう。やがてイワンは天の王女たちが黄金のリンゴの実を投げ合って遊んでいるところに出くわし、そこに出ていく。天女たちは驚いて、もしそれが魔王カスチェイに見つかると化石にされてしまうと心配する。しかし、イワンは、自分の力を試してみようとする。そこに魔物たちがあらわれ、魔王カスチェイも出てきて、王女たちを化石にしてしまう。魔王はイワンにも呪文をかけようとするが、イワンは黄金の矢をふりかざす。すると、火の鳥が飛んできて、イワンを助け、魔物たちに「兇悪な踊り」を踊らせ、疲れさせ眠らせてしまう。火の鳥は、カスチェイの魔力のすべてが含まれている卵のありかをイワンに教えるが、目をさましたカスチェイはイワンに飛びかかる。イワンは一瞬早く卵を地面に叩きつけ砕いてしまう。すると、魔物たちのすべてが跡かたもなく消えてしまい、化石となった王女たちも、もとの姿に戻り、イワンは、その天女たちのなかの最も美しい人と婚約し、そのよろこびのうちに幕を閉じる。── ストラヴィンスキーは、1910年にバレエ音楽として作曲したあと、このなかから組曲をつくりましたが、さらに1919年、その組曲を2管編成の版に改訂しました。また、さらに1945年にも改編を行っています。 (秋山紀夫) |
解説2 | 【収録曲】 1.Introduction 2.Ronde des Princesses 3.Danse infernale du roi Kastchei 4.Berceuse 5.Finale |