編曲者 | Erik Somers(エリック・ソマーズ) |
作曲者 | Aram Khachaturian(アラム・ハチャトゥリアン) |
シリーズ | 輸入クラシックアレンジ(中上級) |
編成概要 | 吹奏楽 |
収録曲リスト | Introduction/Serenade/Song/Comic Dance/Dance |
解説 | 「ガイーヌ」でお馴染みのハチャトゥリアンの隠れた名作。原曲は同名の戯曲のために書かれた劇付随音楽ですが、この組曲では、その中から《序奏》《セレナーデ》《ソング》《コミックダンス》《ダンス》の5曲を抜粋して収録しています。 ●第1楽章 序章 Introduction 3/4拍子で元気良く開始され、スペイン特有のリズムの上に長調の陽気な旋律を奏でます。中間部はゆっくりとして6/8拍子の静かな旋律となり、美しいクラリネットのソロが聴かれます。この旋律がテュッティで繰り返されて高まり、再びはじめの3/4拍子の陽気な主題に戻って終わります。 ●第2楽章 セレナーデ Serenade 2/4拍子。アレグレットで開始される楽章で、ソロ・クラリネットの静かな旋律にはじまり、フルートがそれに続きます。しかし中間部に入ると、3/4拍子のテンポの速い激しい部分となります。その後は、フルートとサクソフォーンの魅力的な旋律による美しいワルツが続きます。 1度静まりますが、最後は2/4拍子となってテンポを速めていき、情熱的な音楽となって終わります。変化の多い楽章で「セレナーデ」のイメージとは少し異なっています。この楽章はロシア人に人気がある楽章だそうです。 ●第3楽章 ソング Song 3/4拍子、モデラートの楽章で、いかにも「歌」というタイトルにふさわしい楽章で、作曲家の幸福なフィーリングが感じられる曲です。まず、ソロ・クラリネットが主題を提示し、いろいろな楽器に引き継がれ、だんだんと高まっていきますが、再びクラリネットの独奏に戻り、ハープの響きのなかに静かに曲を閉じます。 ●第4楽章 コミック・ダンス Comic Dance 2/4拍子、アレグロで元気良く開始される、サーカスの道化師の踊りのようなギャロップで、ショスタコーヴィチ風な曲になっています。しかし、この速いギャロップは3回ほど中断されて、その間をゆっくりとした部分がつなぎます。1回めの中断ではオーボー、2回めの中断ではフルート等がソロであらわれ、その後の速い部分は大太鼓も加わり、いちばんにぎやかな場面となります。ハンド・オルガンの響きがきこえたり、主題のメロディが2倍の長さに拡大されたりします。3回めの中断でフルートのカデンツァとなり、静かに終わります。冗談音楽のような楽しさをもつ楽章です。 ●第6楽章 ダンス Dance 2/4拍子の速いパソ・ドブレで、短調の親しみやすい旋律がはじまります。しかし、よく聴いていると、フレーズの終わりに長調が入ってくるなど、いかにもスペイン風です。 中間部で少し明るくなり、ここでも再びカルメンのパロディが聴かれます。 その後はじめの主題に戻りますが、さらにここでもカルメン風なブリッジがはさまります。続いてはじめの主題を拡大して元気に終わります。主要な主題は親しみやすく、印象的な楽章です。 (秋山紀夫) |