作曲者 | 北野圭威秩(キタノ・ケイイチ) |
シリーズ | ソロ(木管,金管,打楽器) |
編成概要 | ティンパニ/ピアノ |
解説 | 【編成:ティンパニ/ピアノ(ピアノ伴奏あり)】 ●公益社団法人日本吹奏楽指導者協会(JBA)推薦楽譜 ●CD「ソロコンテスト・レパートリー・セレクション」に収録 《曲解説》 この作品におけるピアノの位置づけは、単なる伴奏ではありません。打楽器とか音程楽器という垣根は取り払った、2つのメロディ楽器によるデュエットです。ラリーやバトルという表現がぴったりかもしれません。 ピアノの持つ多くの音階と、ティンパニの持つ4つの音色とグリッサンド。それぞれが掛け合いながら立体的に融合していきます。 カデンツァでは、ティンパニは4つの音を最大限に用いてピアノに語りかけます。そして後半に向けてテンポを速めます。 最後はフォルテシモのエネルギーを十分に含んだまま希望を持って宇宙に飛び去るように曲は幕を閉じます。 多くの若い音楽家の皆さんは、『パーカッション=リズム楽器』だという先入観をお持ちかもしれません。しかしそうではありません。打楽器もメロディ楽器と同じようにハーモニーを表現できるということが理解できれば、今後の音楽に対する世界観が大きく変わっていくでしょう。 (北野圭威秩) ////////////////////////////////////////////////////////// 「ソロコンテスト・レパートリー・セレクション」リリースによせて」 公益社団法人日本吹奏楽指導者協会(JBA) 会長 岡田知之 ロケットミュージックより邦人作曲家による管打楽器独奏用楽譜とCDのセットがリリースがされた。 JBAが開催している管打楽器ソロコンテストにおいて日本全国で多くの中学生と高校生が参加している。 しかし、取り上げる作品のほとんどが外国の作曲家によるもので、中には音楽大学生やプロフェッショナルの音楽家でも難しいと思われる作品を苦労して演奏している奏者も多く見受けられる。 このプロジェクトでは、我が国の管打楽器事情を知り尽くした邦人作曲家が、生徒たちの成長過程に見合った作品を提供してくれた事に大変意義を感じている。 同時にリリースされたCD単独で聴いても「ソロコンテスト」と題しているものの、一流演奏家の起用により観賞用音源として素晴らしい内容である。 将来活躍が期待される若手の音楽家育成のためにも、ロケットミュージックの素晴らしいこの企画に、これからも注目していきたい。 ////////////////////////////////////////////////////////// |
解説2 | 《北野圭威秩プロフィール》 東京音楽大学打楽器科卒業。東京芸術大学特別打楽器専攻科終了。打楽器を元NHK交響楽団首席ティンパニ奏者・元東京芸術大学教授・有賀誠門氏に師事。Set Drumを猪俣猛氏に学び、ラテンパーカッションを阿達彰義氏に学ぶ。また、江戸助六太鼓を今泉氏に学び、クラシックはもとより、ラテン、ジャズ、ポップス、邦楽などオールラウンドプレーヤーとして活動している。 東京音楽大学在学中に東京佼成ウインドオーケストラに入団。故フレデリック・フェネル氏に指揮法・パーカッション音楽学を学ぶ。「ケニー」のニックネームは、フェネル氏が来日2年目に名付けられる。それ以来、ポップスでは「ケニー北野」として活動。活動の傍ら、N響、読売日響、東フィル、東響、名フィル等、数多くのオーケストラにエキストラ出演。昭和61年から3年間、尚美音楽大学ディプロマ・プロ養成コース講師を3年間勤め若手プロを育成。近年は、シエナ・ウインド・オーケストラで若手プレイヤーと一緒にコンサートに参加。ポピュラー界では、猪俣猛セパレーション出演、タモリの「今夜は最高!」テレビ出演、日本アカデミーショー出演等。アルバムでは、「ルパン三世」「うる星やつら」「ルーツのテーマ」等にレコーディング参加。パーカッショングループ「BUDMUS」を主宰し、全国各地の小・中・高校の音楽鑑賞教室や、各地域主催の演奏会等に多数出演し、躍動感溢れるコンサート活動を展開。パーカッションの魅力いっぱいの演奏とユニークな演出で、奏者と視聴者との心の交流ができるホットなコンサートをプロデュースする。2008年新しいユニット「Kenny’sーClub」(北野圭威秩を中心に、演奏・演技・歌etcをこなすパフォーマー集団)を結成。2015年、定年により東京佼成ウインドオーケストラを退団。現在、演奏活動を行いながら、日本吹奏楽指導者協会会員として、全国教職員専門指導者に対して、専門的な奏法、歴史、生徒に対する導入指導などの講師も勤めている。また、全日本吹奏楽コンクールの審査を含め、中・高校吹奏楽部の音楽指導や演奏指導なども行っている。 |
編成 | Timpani/Piano |