| 作曲者 | 會田瑞樹(アイタ・ミズキ) |
| シリーズ | ソロ(木管,金管,打楽器) |
| 編成概要 | マリンバ |
| 解説 | こをろこをろ 副詞 ( 「に」を伴って用いる ) 海水、塩水などが、かきまわされて次第に凝りかたまってゆくさまを表わす語。 [初出の実例]「塩許々袁々呂々(コヲロコヲロ)に画き鳴(な)して引き上げたまふ時」(出典:古事記(712)上) マリンバ独奏といえばほとんどが5オクターヴマリンバのために書かれたものばかりで、その制約を破りたく、4オクターブマリンバで演奏でき、技術的にも叙情的にも充実したものを目指した。こをろこをろとは古事記に登場する「世界を掻き混ぜる」擬音として登場する。実に神秘的な心持ちのするこをろこをろの響きは、まさにマリンバのトレモロにこそふさわしい擬音でもあると感じた。また、マリンバが得意な反復音形を多用することで、緊張感や高揚感を伴い音楽が進むことを意図した。 ※トレモロは常に細かく、さらに呼吸感を持って演奏することが望ましいです。速いパッセージは粒を際立たせ、特に末尾の音形にまで意識を傾けることが重要です。はっきりとした速度の変化、微細な強弱の違いに注意を払い、シャフトサウンド、終結部の打った後に音を変化されるbend奏法(通常のマレットで打ちながら、シロフォンマレットで音盤をこする)で音程変化も楽しんでください。 |
| 解説2 | 〈會田瑞樹プロフィール〉 「音楽の可能性を拡げ続ける情熱の人」(野本洋介氏/バンドジャーナル2025年12月号) 會田瑞樹は2010年のデビュー以来、常に多角的に音楽を見つめ、行動に移している。打楽器、とりわけヴィブラフォンのためのレパートリーの拡大を求め多くの作曲家との協働を通し、300作品以上の初演を通し音楽の未来を見つめている。 作曲家としても打楽器作品のみならず、管弦楽、室内楽、歌曲と多岐にわたる創作活動を展開。演奏家の視座を持った「見通しの良い音楽」(北爪道夫氏)と評されるなど、その活動範囲はとどまることなく、近年は教育の面においてもその大胆な発想を活かした行動的な指導に定評がある。 1988年12月24日、宮城県仙台市生まれ。2010年、日本現代音楽協会主催“競楽?”第二位入賞と同時にデビュー以降、これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。2019年第10回JFC作曲賞入選、2021,2023年リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールLMIC特別賞を受賞するなど作曲家としても広範に活動。アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」は年間最優秀ディスクとなる第59回レコードアカデミー賞を獲得。そのほかサライ推薦はじめ各紙より絶賛を受けた。現代作品の魅力を多彩に紹介した成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞、令和3年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。2024年、第21回イタリア国際打楽器コンクールヴィブラフォンC部門最高位受賞。千代田区立九段小学校”九段planets“代表指導者、渋谷区立上原中学校吹奏楽部指導員を務めるなど、演奏、創作、教育と多面的にその音楽性を発揮し続けている。 |
| 編成 | マリンバ(無伴奏) |
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