作曲者 | 會田瑞樹(アイタ・ミズキ) |
シリーズ | ソロ(木管,金管,打楽器) |
編成概要 | ヴィブラフォン |
解説 | 2024年9月にリトアニアで世界初演が予定されている拙作《Stardust ―Concerto for Vibraphone and Strings Orchestra―》の姉妹作にあたる本作品は、二本撥でヴィブラフォンの煌めく色彩を星に見立てた作品である。素早いパッセージと叙情的な旋律が交互に現れ、星々の様々な物語が浮かび上がる。 〈演奏のポイント〉 二本撥で終始演奏可能である。冒頭には音色を変える手段としてXylophone malletによるベンド奏法(通常のマレットで音盤を鳴らしたのち、シロフォンマレットで音盤を擦るように動かす)で音程の変化を楽しむ。さらにモーターの速度も変えることで音色の変化を味わう。 星々がきらめくような流麗なパッセージが続き、突如トレモロで寸断されるがこれもまた音の粒を際立たせることが大切。やがて再び疾走感溢れるパッセージと、左右の声部が異なる楽句は両手のバランスに気を配って欲しい。一呼吸を置くカンタービレののち、〈Star dust〉と銘打たれた部分はまさに奏者の技量をフルに見せつける箇所であり、テンポは奏者自身が可能なもっとも素早いテンポで演奏してほしい。 やがてrapidの旋律からmolto ritの箇所は極めて歌い込み、Cisのサウンドに集約していく。マレットの柄や爪、指で打つ3回の動作は音色の変化も含めて繊細に奏でてほしい。(會田瑞樹) |
解説2 | 〈會田瑞樹プロフィール〉 1988年宮城県仙台市生まれ。2010年日本現代音楽協会主催”競楽?”第二位入賞と同時にデビュー以降、これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。作曲家として2019年第10回JFC作曲賞入選、2021,2023年リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクール特別賞を2度にわたり受賞。2022年2月には東京都「アートにエールを!」採択事業として初の自作自演個展を開催。10月には自らが作曲を手掛けた《祭禮―二台のヴィブラフォンのための協奏曲―》を新田ユリ指揮、京都室内合奏団とともに世界初演。2023年10月には全45曲からなる《北原白秋のまざあ・ぐうす》を発表。『今年出会った「新作」の中で、将来の育ち方が最も楽しみなひとつ。リミックスの時代たる21世紀の「創作」』(渡辺和氏)等の賞賛を受ける。2020年発売の最新アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」は年間最優秀ディスクとなる第59回レコードアカデミー賞受賞。ヴィブラフォン、現代作品の魅力を多彩に紹介した成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞、令和3年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。かなっくホールレジデントアーティスト。千代田区立九段小学校“九段planets”サポーターとして指揮者の任にあたるなど、ジャンルを越えた縦横無尽の活躍が続いている。 2024年6月にはタイ・バンコクにおいて新作《日比谷》(萩原恭次郎詩)永野伶実氏委嘱作品《優しい女》両作品の初演は大きな反響を集めた。8月には指揮者として千代田区立九段小学校“九段planets”を率いて第72期TBSこども音楽コンクールに楽団創設以来の初参加。9月にはリトアニア・ヴィリニュスにおいて、モデスタス・バルカウスカス指揮、聖クリストファー室内合奏団シーズンオープニングコンサートに6年ぶりにソリストとして招かれ、自らが作曲を手掛けた《Stardust ―Concerto for Vibraphone and Strings Orchestra―》初演、11月には渕田嗣代氏委嘱作品《鶯の歌》(北原白秋詩)の初演が予定されるなど、演奏、創作の両面からその音楽性を発揮し続けている。 |
編成 | ヴィブラフォン(無伴奏) |
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