作曲者 | 三浦秀秋(ミウラ・ヒデアキ) |
シリーズ | オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 【作曲家からの曲解説】 朝の空港は活気にあふれています。旅人のキャリーバッグを転がす音、出張に行くビジネスマンの電話、空港職員の明るい掛け声などで、とても賑やかです。搭乗口を抜けて、空の旅が始まります。飛行機は力強く加速して、大空へ飛び立ちます。窓から見える景色は、地上と比べてどこまでも広く、無限に広がっています。雲の中を抜けると、視界は一面に白み、窓に細かい水滴や氷がパチパチと当たって幻想的です。高度1万メートルまで上昇し、安定飛行に入り、シートベルト着用サインが外れます。飛行機は一層優雅に空を飛び、悠々と翼を広げます。しばらくすると、乱気流が近づき、シートベルト着用サインが再点灯します。機体が揺れ、飛行機は懸命に気流を抜けます。再び雲を抜け、いよいよ目的地に到着します。滑るように滑走路に入り、勢いよく車輪が回り、飛行機は着陸します。(三浦秀秋) |
解説2 | 【秋山紀夫先生 (日本吹奏楽指導者協会名誉会長) からの曲解説】 作曲者は「空港の風景、離陸、広がる視界、乱気流、着陸」の飛行機の旅を描いた、と言っています。曲は木管のリズムで軽快に開始され、金管が楽しげに歌いだします。木管を中心とするなだらかな旋律に続きトロンボーンも歌います。中間部でゆっくりし、しばし安定した飛行となります。おおらかなメロディーが続いていきます。再びブザーが鳴りますが、乱気流に入ったらしいです。しばらくして再び安定した飛行となり、無事着陸して曲を閉じます。初めの方で一箇所、木管、ホルン、トランペットが息だけを吹き込んで風の音を出すところがありますが、ほかには特別なソロや楽器は使われていません。 【指揮者:佐藤正人先生からの演奏上のアドヴァイス】 今回の作品集のなかで最もストーリー性の明確な作品です。演奏者からもカッコ良いと評判でした。テンポ感とビートの「ノリ」が大切です。 冒頭は、Xylophoneと木管のビートと拍子の一体感がほしいです。演奏しやすい分、転んでしまうとシンコペーションが多用されているのでリズムも正確に。 また、ポップスのビート感も意識して演奏ください。打楽器のビート感、伴奏と旋律との一体感がポイントです。また、オーケストレーションが良く、バンドが鳴るので、転調等も含め部分のコントラスト(A⇔B、C⇔D、F⇔G等)も明確に表現したいです。同じような色の演奏が続かないように表現してください。 中間部の前後の発信音の描写音は非常に印象的です。続く、中間部の美しいコラールは、「歌」を意識して演奏したいですね。この部分がある意味で音楽的に頂点と言えます。表現力をすべて発揮して演奏して下さい。 Pからは、前半には見られない、ご機嫌なビート感と緊張感のある後半です。特にS→Tの色彩感の変化等思い切って表現してください。そして4分の3+2拍子となって、Wから一気にフィナーレを迎えます。若い演奏者が多いこともありますが、レコーディングで、絶賛されていました。取り組みがいのある曲ですね。 |
編成 | この楽譜は「小編成用」の楽譜で、小編成バンドでもコンクールに出場できるように、最小19人から演奏できるように工夫されています。 スコア識別 Full Score 木管楽器 Flute 1 & Piccolo Flute 2 Oboe(Option) Bassoon(Option) Bb Clarinet 1 Bb Clarinet 2 Bb Bass Clarinet Eb Alto Saxophone Bb Tenor Saxophone Eb Baritone Saxophone 金管・弦楽器 F Horn 1 F Horn 2 Bb Trumpet 1 Bb Trumpet 2 Trombone 1 Trombone 2 Euphonium Tuba String Bass(Option) 打楽器 Drum Set(or Classical Traps) Percussion 1 (Timpani,Tambourine,Suspended Cymbal) Percussion 2 (Xylophone,Glockenspiel,Tubular Bells,Vibraphone,Wind Chimes,Tam-tam) |