アーティスト | Northwestern University Symphony Orchestra、 Donald Hunsberger、 conductor(ノースウェスタン大学シンフォニー・オーケストラ 指揮=ドナルド・ハンスバーガー) |
シリーズ | CD |
編成概要 | CD【吹奏楽】 |
解説 | ワーナー・ブラザース社から出たこのCDは、同社の「ドナルド・ハンスバーガー・ライブラリー」シリーズの曲目が収録されています。特徴は、現ノースウェスタン大学の教授であるトランペット奏者チャック・ガイヤーと夫人のバーバラ・バトラーのトランペット二重奏をフィーチャーしていることと、伴奏がオーケストラであることの2点です。ガイヤー夫妻のトランペット二重奏は、1996年のイーストマン・ウィンド・アンサンブルの日本公演で共演しているので記憶されている方も多いことでしょう。そのときのプログラムのメインが「カルメン・ファンタジー」でした。この曲は、当時イーストマンの先生だったガイヤーのために1996年の来日にあたって新たに編曲されたものと考えられていましたが、実はすでに1994年、管弦楽伴奏の二重奏曲として夫妻の要望でハンスバーガーが編曲し演奏されていたことがライナーノートで明らかにされました。日本公演でのウィンド・アンサンブル伴奏ヴァージョンはワーナーからスコアが出版されていますが、このCDではオーケストラ伴奏のオリジナル版で録音されています。伴奏はノースウェスタン大学シンフォニー・オーケストラで、指揮はハンスバーガーで、2002年6月と2003年3月の2回にわたって同大学のピック・スタイガー・ホールでおこなわれました。1曲目の「カルメン・ファンタジア」が一番長く、おなじみのいろいろなメロディーが、2人の絶妙なコンビの演奏で楽しめます。2曲目の「ジプシーの空の下」はブラームスのハンガリアン舞曲第4番のメロディーからはじまり、途中にハンガリー民謡をはさみ、後半はリスト作曲のハンガリー狂詩曲14番とブラームスのハンガリアン舞曲第6番で終わるように構成されています。3曲目はフォスターの歌曲3曲がメドレーになっていますが、耳慣れた曲は中間の「金髪のジェニー(夢路より)」だけで、前後の2曲はあまり有名ではありません。とにかくこのCDの聴きどころは、ガイヤー夫妻の息のあった名演でしょう。またピッコロ、トランペット、フリューゲル・ホーン等の音色の違いも充分聴きとれる演奏で、おすすめの1枚です。(秋山紀夫) |