作曲者 | Philip Sparke(フィリップ・スパーク) |
シリーズ | 金管バンド |
編成概要 | ブリティッシュ・スタイル金管バンド |
解説 | 【吹奏楽版の解説】 タイトルはウェールズのシンボルである「赤いドラゴン」からヒントを得たもので、1980年のヨーロッパ・チャンピオンで、スパークの課題曲を演奏して優勝したコーリー・バンドが、ウェールズを代表するバンドであることを象徴していて、その100周年の年という意味です。曲は次のの3つの楽章からなる組曲です。 第1楽章「トッカータ」...小太鼓と金管が16分音符で刻む鋭いリズムにより開始され、低音が劇的に加わり、木管も加わって、いかにもトッカータらしく即興的に展開していきますが、そのなかに、ホルンの奏するおおらかなメロディと、バスーンや木管の奏するやさしいテーマもきかれます。しかし、激しいリズムと金管の高鳴りが全曲を支配して、短く静かに終わります。 第2楽章「インタルード」...厚いハーモニーで曲が開始されますが、全般的にイングリッシュホーンの長い静かなソロを中心としたゆっくりとした楽章で、中間で少しテンポを速めて、木管とコルネットのソロによるあたたかな旋律があらわれ、これが盛りあがってクライマックスをつくります。そのあと再びはじめのテーマに戻って静かに曲を閉じます。 第3楽章「フィナーレ」...木管の激しい動きで開始され、金管と打楽器がリズムを叩きこみ、テュッティとなって金管の旋律も加わりますが、動きの中心は木管にあります。打楽器が明るいメロディを奏でると、それに導かれてバスーンの2重奏が楽しげに歌ってムードを変え、木管も加わりますが、再び木管の激しい動きに戻り、金管が高らかによろこびを歌いあげ、華やかに終わります。 この「ドラゴンの年」は、1986年のブラス・バンド・ヨーロッパ・チャンピオン・シップの課題曲として、とりあげられました。 (秋山紀夫) |
解説2 | 【ブリティッシュ・スタイル金管バンド】・・・英国式(ブリティッシュ・スタイル)ブラスバンドは「金管楽器」と「打楽器」で編成されるバンドです。しかし「金管楽器」は吹奏楽でおなじみの「トランペット」や「フレンチホルン」「テューバ」は使われず、「コルネット」を中心としたサクソルン属の金管楽器を中心に使われる演奏形態のことを指します。 |