下中拓哉のリコーダー指導ヒント Vol.14

リコーダーの表現を豊かにするコツ①
皆さんこんにちは!
前回までのコラムで、
姿勢や運指、お手入れについて等のお話してきましたが、
今回と次回は2回に分けて、
音楽の表現のレパートリーを増やせるようなお話をしたい思います!
"音と音のつなげ方に様々な表情をつける事"を「アーティキュレーション」と言いますが、
こども達にこれをマスターしてもらう事で音楽の表現のレパートリーを増やし、
演奏をより"生き生きとした演奏"にする事が可能です。
アーティキュレーションをマスターする為には、
舌の動きがとても重要になるので、
Vol.4〜Vol.6で話している基本的なタンギングが出来るようになってから、
是非授業に取り入れて頂けたら嬉しいです!
譜例②をご覧ください。
どちらも音を滑らかにつなぐ表現として使われますが、
"テヌート"は、
"音と音の間の隙間を出来るだけ埋めた状態"でタンギング。
"スラー"は、
最初の音を発音したら"スラーが切れるまで舌を使わず"、
スラーが切れたその次の音で再びタンギング。
というように、吹き方が違います。
そこでまずは譜例③で、"テヌート"の練習をしましょう。
テヌートは音と音の間の隙間を埋める為、なるべく速く舌を動かしながら演奏しましょう。
前の音の残響があるうちに次の音をタンギングし、
空中で音が重なるようにイメージをするのが上手になるコツです。
これが出来ると演奏がかなりレベルアップするので、クリアしてから先に進みましょう。
次は譜例④で、"スラー"の練習をしましょう。
テヌートは、なるべく速く舌を動かすように意識しましたが、
スラーでは、なるべく速く指を動かしながら演奏しましょう。
ゆっくり動かしてしまうと音と音の間に雑音が入ってしまうので気をつけて下さい。

下中拓哉(しもなか たくや)
東京都新宿区出身。尚美ミュージックカレッジ専門学校音楽総合アカデミー学科作曲コース(4年制)を卒業。作曲を徳備廉純、高橋伸哉の各氏に師事。在学中にリコーダーの研鑽を積み、ポピュラージャンルでのリコーダー奏者としての演奏活動のほか、指導者としても活躍。東日本の小学校を中心に年間200校ほど訪問し、リコーダー講習を行う。そのほか、小学生のための器楽合奏や管楽器のための編曲作品が多数出版されている。現在、東京リコーダー協会 AULOS講師、リコーダー奏者、作編曲家。