Music People vol.64

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Music People vol.64

Music People Vol.64

私にとっての音楽の楽しみ方


 こんにちは!ホルンという金管楽器を演奏している小口遥(おぐちはるか)です。ホルンを使って好きな曲を表現する演奏、好きを実現する演奏指導、好きをより追求する動画、楽譜制作をしています。

 音楽にはすごく大雑把に分けて「鑑賞して楽しむ」ことと「自分が音楽で表現をして楽しむ」ことの2種類の楽しみ方があるのかな、と私は思います。「私にとっての音楽の楽しみ方はなんだろう?」と考えると、音楽を「鑑賞する」立場であることより「表現して楽しむ」立場での時間の方が圧倒的に多いことに気づきました。私は表現するための手法として「楽器を演奏する」ことが今まで一番多いてす。今まで何かしらの楽器に触れて30年は経つことに気付きました。

小口 遥  一番最初に触った楽器はピアノ。そのあとは児童合唱団での活動をしつつ小学校の授業で金管楽器に触れる機会があり、中学校の部活でトランペットとホルンを触りました。音楽大学に進学してから、ホルンはもちろん、副科のピアノもできる範囲でトライしましたし、なぜか家に琵琶があったため、ほんの少しだけ琵琶に触れる時間も持てました。大学を卒業してからは、専業のホルンの演奏活動をしつつ、ホルンの吹き方や音楽の捉え方、音楽的な考えに基づいた奏法の選択を小中高生や週末演奏家の方々にレクチャーする活動もしています。また、ホルンを使って演奏する曲の「選択肢」を広げたくて編曲活動も始めました。

 とてもたくさんの音楽経験をしてきたことで、膨大な時間を費やしてきました。物心ついてから音楽に触れていない年は無いように思います。それだけ演奏することを続けてきたということは、音楽が好きなのか?と言われると、身近すぎてわからないのです。常に触れているものが私にとっての音楽なのかな、と思います。同時に、「音楽を好き」という気持ちは自分の中では何をもって定義されるものなのだろう、と思いもします。

 小さい時に演奏していたピアノは、自分の意思で始めたものではありませんでした。そのため、好きかどうかはいまいちわかりません。それでも、今となってはピアノの音も心地よいと感じることもありますし、ピアノのために書かれた楽曲も好きな曲がたくさんあります。一人でメロディーも伴奏も同時に奏でられてしまう多彩な表現方法は、ホルンには無い魅力です。(過去に私がホルンを教えていた生徒にも、一人で曲が演奏できるからという理由でピアノに転向した子がいました)

 音楽を演奏することが楽しいという気持ちを一番初めに感じたのは、小学生の頃でした。児童合唱の場では、目に見えない発音体である「声」を使っての表現に磨きをかける、深く追求していくことに楽しみを感じました。そして小学校の授業では、当時の流行の曲を学校の先生が編曲してくれてみんなで演奏した経験があり、知っている曲のパーツを自分の力で音にしていることが何よりも楽しかったです。児童合唱での深く追求する楽しみが音楽を専門的に学ぶ楽しさにつながり、身近な曲を編曲して演奏する楽しみが今の私の活動そのものにつながっています。

 ホルンを吹き始めたのは、中学校の部活でした。初めはトランペットを演奏していましたがホルン担当の方がいなくなり、トランペットは人数が多かったので誰かうつってと顧問に言われたことがきっかけでした。所属していたのはオーケストラ部で、「ホルンは美味しいところが多いかもよ」と言われてうつることにして、綺麗にソロやメロディーを吹くことが楽しくてホルンを吹くことは好きでした。そのため、単純に演奏が上手になりたいと思って音楽大学を志しました。

小口 遥  音楽大学に入り、一番楽しかった経験はホルンアンサンブルとオーケストラでの演奏です。それまではあまりホルン同士でアンサンブルをする経験も少なかったのですが、ホルンの音だけという限られた制限のある中、曲のいろんなパーツを演奏して表現することがとても楽しかったです。ホルンは一人で出すことのできる音域が広いため、その音域を使った様々な色彩感のある表現ができることが、ホルンアンサンブルの醍醐味であると感じています。また、まろやかで優しい音色や、力強い勇壮な音色といったいろんな音色の引き出しがホルンにはあるので、いろんな場面の音楽をホルンアンサンブルだけで演奏できることも、ホルンアンサンブルの魅力です。

 またオーケストラでは、パートごとの役割に応じて適切な吹き方で表現するという制限がある中で、自分が思うように演奏できた時や、大勢の人間で一つの作品を作り上げること、それが達成できた時の達成感と高揚感を感じられることが何よりも幸せでした。また、音楽大学で受ける楽器のレッスンも、自分がホルンでできることを増やすことができたのでとても好きな時間でした。何よりも、自分の奏でたい音色でうまく演奏できた時の喜びや吹奏感が何にも変えがたい楽しみです。そして、指導してくださった先生方からは人間としても学ぶところが多く、とても濃い時間を過ごすことができました。

 大学を卒業してからは、今までの経験の中から感じたことを使って表現することで、その場その場で種類の違う楽しさを経験できたことが、私の世界を広げてきました。そしてこれからも、こんな曲を演奏してみたい、あんな編成で演奏したり、曲を書いてみたい、と、やってみたいことが尽きません。どの瞬間にも「好き」な気持ちがたくさんあり、できないこともあるけど、できないことができるようになったときの喜びができない時のみじめな気持ちを乗り越える糧となっています。

 「好き」という気持ちは、私の音楽活動の柱としても重要なポイントです。それは、今まで経験できた楽しかった時のことやその時の気持ちが大切であるということ、かもしれません。その気持ちをいろんな方にも感じてもらいたくて演奏指導活動をしていますし、自分が好きな曲を演奏することが楽しくて、その時間や成果が好きだから編曲活動やそれに伴った演奏活動をしています。
 そして、活動の中で感じる「音楽が好き」という気持ちは、情熱的な気持ちというよりは「ずっと一緒に過ごすことが当たり前のもの、空気のような存在」という気持ちが強いと思います。まるで熟年老夫婦のようなものでしょうか。そのような「音楽を好き」という気持ちを持ちながら音楽を表現する手段が、「私にとっての音楽の楽しみ方」なのかなと思っています。

カイト/嵐(NHK東京五輪ソング)





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  • 動画タイトル:春の海【ホルン四重奏】

    エリーゼのために【ホルン四重奏】

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小口 遥

小口 遥【おぐち・はるか】
「好き」を表現する演奏、「好き」を実現する演奏指導、「好き」をより追求する楽譜制作をすることを主軸に活動しているホルン奏者。

演奏面では、都内オーケストラへの客演や、東京ゲームタクト2017,2018,2019やMUSICENGINE公演への参加などゲーム音楽の演奏会に出演の他、企業のテレビCMやゲーム音楽のレコーディングへの参加など多岐にわたって活動している。 個々の技量が試される木管五重奏などの室内楽の舞台では、持ち前の器用さと機動力を活かして活動、自主企画制作を行っている。 また、2015年から自身のyoutubeチャンネルを開設。自身が楽器を愛好するきっかけとなった「好きな曲を楽器演奏で表現する」ことを追求し続けている。

演奏指導面では、多摩ユースオーケストラ、練馬ジュニアオーケストラ等の青少年のためのオーケストラへの指導や、楽器店での講師活動、フェリス女学院大学非常勤副手を兼任。自身の演奏活動で培った経験と知識を活かし、演奏することの楽しみとその楽しさを表現するための手法などの技能向上指導にあたっている。

楽譜制作においては、2015年から行っている自身のyoutubeチャンネルへの演奏動画投稿に関する楽曲や、有志で集まって開催する自主企画演奏会に向けての編曲制作を行なっている。その曲が持つ素敵なポイントを表現するために必要な研究と、それを表現するための記譜法を用いて作品を制作、提供している。
カリタス女子中学高等学校卒業後、東京音楽大学に進学。在学中に東京音楽大学シンフォニックウィンドアンサンブル台湾公演2011及び、東京音楽大学シンフォニーオーケストラ定期演奏会、欧州公演2012 ツアーへ参加。
卒業後、国内外のセミナーに参加しつつフリーランスのホルン奏者として活動を経て、2014-2017年まで東京芸術劇場ウィンド・オーケストラアカデミーに第1期生として在籍。現在もフリーランスのホルン奏者として活動している。
これまでにホルンを井手詩朗、水野信行、日高剛各氏に師事。

より詳細なプロフィールはこちら
https://harumame.com/profile-2/




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