Music People vol.42

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Music People vol.42

Music People Vol.42

「すべての人が
自由に気持ちを寄せられる音楽であること」、
常にこの言葉を忘れないように過ごしています。


今村耀  埼玉県入間市出身のユーフォニアム奏者、今村耀です。

 関東・東海・関西を中心に演奏やレッスンをしていて、ソリストとしての活動や室内楽を中心にやっています。ここ数年でおもしろかった仕事は人工知能の演奏と自分の演奏で生のライブをおこなったこと...さて、せっかくなので少し地元の紹介をします。私の故郷は東京に近く池袋まで40分かからない距離の人口は15万程度の地方都市です。名物は強い香りが特徴的な高温の火入れが行われる狭山茶。音楽が盛んで、吹奏楽・管弦楽・ビッグバンド等、様々な形態の団体がたくさんある街です。さんある街です。音楽に関心の高い場所で、マイナー楽器のユーフォニアムを愛してくれる方も多く、市の文化財で様々なドラマやアニメのロケ地でもある「旧石川組製糸西洋館」でのリサイタルを企画していただいたり、入間市民吹奏楽団の定期演奏会にゲストで出演したり…大好きな街です! 今後も地元への恩返しもコツコツ続けていきたいです。

 ところで、初めて音楽に触れた時のことを覚えていますか? はっきりと言える人はなかなかいないのではないでしょうか? では、音楽に触れてポジティブな気持ちになった時のことは思い出せますか? これならきっと大丈夫だと思います。音楽に触れる瞬間は「聴く時」と「演奏する時」。大まかに分けるとこの二つになりますが、私はどちらの立場になっても「すべての人が自由に気持ちを寄せられる音楽であること」、常にこの言葉を忘れないように過ごしています。

今村耀  私は小学校のブラスバンドで打楽器を経験した後にユーフォニアムに出会い、そして今まで続けています。中学校の吹奏楽部に入部し、偶然聴きに行ったプロの英国式ブラスバンドの演奏で、今まで経験したことのない感動が沸き起こり、それまで抱いていたピアニストへの夢がユーフォニアム奏者への夢に変わります。その後、中学2年生の時に感動のきっかけとなった演奏者に自分でコンタクトを取り、弟子入りし、職業音楽家になるための道を進み始めました。高校は音楽科へと進みますが、学科の特性上、専攻実技試験は避けられぬ道。初回から気合十分で好成績を重ねるものの、高校2年生の冬の試験で遂にやってはいけないことをしてしまいます。「途中であきらめないで。最後まで演奏しきって」、講評にはこう書かれていました。試験課題はすべて演奏しましたが、たった一つのミスで自分の演奏から目を背けてしまったのです。音楽が音楽ではない状況を作り、そこに何かの音が鳴っているだけの空間にしてしまいました。伝わるものは伝わるし、見えるものは見える。これまで前を走り続けた自分が後ろに下がることになった日でした。気持ちを新たに取り組むことで、元のポジションに戻り楽しい高校生活を終えましたが、その後私の考えは大きく変わっていきます。大学・専門と音楽を学び、今こうして演奏家として仕事をする中でこの経験は大きく役立ちました。

 音楽と気持ちがリンクするためには、演奏者が音楽的な状態に絶対的な責任を持って終止線にたどりつくことが最も大切です。しかし、終止線にたどり着いても音楽的な要素がなければ「無」になってしまいます。その要素を取り入れるために、自分のやるべきことを適切に分析し実行することが大切です。まずは、諦めないこと。前述のとおり、諦めたら聴き手には何も残りません。それから、楽曲で必要とされる技術や形式を学ぶことです。例え話ですが、大抵の紅茶は100℃で淹れて2分蒸すと美味しく飲めます。一方、緑茶類は60℃で淹れると美味しいことが多いです。茶菓子もTPOに合ったものを出す必要があります。以上のように、同じお茶でも種類が違えば前提が違うように、音楽にも同じことが言えるのです。

今村耀  ロングトーンは長く音を伸ばす。本当にそれだけでしょうか? ただの直訳ではないですか? リップスラーも音をつなげるだけではなく、その方向やブレス、瞬間で気づけることはたくさん。ルーチンに見える基礎練習ですが、自分の耳をフル活用して、よく考えながら演奏すれば課題はたくさん見つかるはずです。何事も意味を持って取り組まねばなりません。意味のある練習を重ねることで、演奏のスタートラインに立ち、素敵な音楽を届けられるようになります。

 ここからは聴き手について。学生の方は「登場人物の気持ちを答えなさい」という問題に出会ったことがあると思います。テストだと答えは一つだけですが、本を読んだり食べ物を食べたりした時の感想はバラバラだと思います。音楽もそれで良いのです。作者や演奏者の考えに合わせて聞かなきゃ…なんて思う必要はありません。どのように解釈するかはあなた次第!

 私は、終演後にお客様をお見送りする時間が大好きです。終演後にどんな表情で帰路につかれるのかドキドキで見ています。笑顔の方、テンションの高い方、泣いている方、いろんな方がいらっしゃいますが、それぞれの方に音楽で心への贈り物ができたならそれが自分にとって一番幸せなことです。すべての人が自由に気持ちを寄せられる音楽であるように…提供する側が押し付ける音楽ではなく、音楽を受け取った方がのびのびと色んな気持ちを胸に生きていける。明日もそんな演奏者であり、聴き手でいられるように過ごすことが私の音楽家生活です。



今村耀

今村耀【いまむら・よう】
埼玉県入間市出身。埼玉県立芸術総合高校音楽科卒業。成績優秀者卒業演奏会出演。日本大学芸術学部を経て尚美ミュージックカレッジ専門学校コンセルヴァトアールディプロマ科修了。大阪国際音楽コンクール部門最高位(1~2位無し3位)他、多数受賞。日本ユーフォニアム・テューバ協会会報にダブルベルユーフォニアムの演奏が掲載。ヤマハ演奏支援アプリ≪ふこうよアンサンブル~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~≫(響け!ユーフォニアム)開発に演奏提供。2017年2月に同アプリVer.2と書籍第二弾のリリース記念イベントにてオープニングアクトとユーフォニアム独奏によるデモンストレーションを担当。YAMAHA・AI合奏システムと国際イベント「デジタルコンテンツエキスポ2017」で共演。2018年吹奏楽雑誌「Wind-I mini vol.39」巻頭インタビュー掲載。2019年優秀指導者賞を受賞。ユーフォニアムなどの金管楽器や吹奏楽指導では、本選や全国大会入賞などを多数輩出している。演奏者としては、TV出演やさまざまなジャンルの音源収録、各地でのソロ演奏、希少価値の高い古楽器演奏者としても話題を呼んでいる。
Twitter:https://twitter.com/euph_yoh
今村耀ホームページ:http://euphoniums.blog115.fc2.com




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