Music People vol.33

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Music People vol.33

Music People Vol.31

素晴らしい出会いと色々な経験を通して私の音楽感と打楽器人生は大きな変貌を遂げました


瓜生郷子 「ドイツでの勉強」
 時は東西ドイツの壁が崩れて一ヶ月後、私はワクワクドキドキしながらドイツに渡航、妹の留学先だったフライブルクを訪問しました。

 教会から響く鐘の音、新鮮な野菜が山積みの市場、朝早くから開いているパン屋、何もかもが新鮮だったある日、私は初めて妹が在学する音楽大学を見学に行きました。その時、素敵なマリンバの音が地下の通路から聞こえてきたので音源を探って行くと、練習していたのはなんと学生時代の仲間である芸大卒の中村功氏だったのです。現在のカールスルーエ音楽大学の教授です。耳にした曲はバッハの独奏曲で、その演奏に感激した私は「こんな風にマリンバでバッハを弾けるようになりたい」と強く思い、大学の教授ベンハルト・ヴルフ先生にその場でレッスンを懇願、数日後にレッスンを受けることができたのです。その上幸運にも次の年よりレッスンを受けられる承諾までもらい、1991年4月フライブルク音楽大学でのレッスンが開始となりました。

瓜生郷子  内容はマリンバだけでなく打楽器全般に亘っていました。基礎的な小太鼓の奏法では、それまでは淡々と譜面通りにリズムを打つだけだった私ですが、レッスンではリズムを形成する一つ一つの音にニュアンスと抑揚がつけられ歌い、それが素晴らしいリズムの形を作り出すことを学びました。音楽創作の基礎となるレッスンも印象的なもので、ヴルフ先生から与えられたドイツ語の詩のリズムと響のニュアンスをコンガで演奏できるようにあらゆる可能な奏法を試し、コンガでの表現(おしゃべり)を創っていくなど、レッスンは全て新鮮なものでした。同時に大学で講師をしていたティンパニー奏者宮崎泰二郎先生(バーゼル交響楽団)から母国語で自分が教わっていることを噛み砕いて解説をしてもらえるなど、素晴らしい出会いと盛り沢山な経験を通して私の音楽感と打楽器人生は大きな変貌を遂げて行きました。

 「目から鱗」を繰り返しながらレッスンに励む中、2年が過ぎた頃にヴルフ先生の勧めで子供の音楽教育に関係する授業やマスターコースへも参加するようになりました。そこで展開していたのは、まさにドイツ流の創造的な音楽表現教育でした。主なレッスンは音楽を身体で表現する授業でしたが、担当のヤコビ先生が実際に子供たちにレッスンをする時間の見学もありました。最も印象に残っているレッスンは、二人組になった子供達が美しい様々な色の布を持ち、それをくぐったり、絡ませたり、自由に動く、その動きに先生が即興での素敵なピアノ演奏を合わせていく、子供達も聞こえてくる伴奏を聞きながら布や身体の新たな動かし方を展開するという授業の体験でした。その後、聴講した学生たちも同様の内容を実践させてもらい、その感覚や即興の意義など様々なことを先生と共に話し合う場が持たれます。私は二人組の即興の動きに合わせて先生が伴奏してくださる心地よさが今でも忘れられない思い出となっています。

瓜生郷子 「創造的音楽教育」
 私が勉強のためドイツとの往復を繰り返す中、日本では新しい教育指導要領(1992年)に個別性の重視が謳われ、それに即した表現指導法を幼稚園・保育園が模索する時期と重なりました。私は幸運にも学んできていることを日本で実践しながら研究する環境に恵まれ、欧州で学んだ即興を多く含んだ音楽表現への導入方法を、日本の子供たちが受け入れ楽しめるように試行錯誤、観察と分析を繰り返しました。音の性質を「自由に描く、動く」はメインの課題となり、子供たちは長い音、短い音、点の音などを、イメージに合う色で自由に描き、描いたものを身体で表現していきます。また、日用雑貨(ガラクタ楽器・・・空き缶・空き瓶・ペットボトル・空き箱など)を使った演奏活動も子供たちは自由な発想で実に楽しく発展させて行きました。

瓜生郷子  一方で発表が必要となる現場では器楽合奏の要望がたくさんあり、どのように個別性を重視した表現を実現させて行くかがテーマとなっていました。まずは鍵盤楽器導入においての自由さを失わない導入方法、そして私は鍵盤に音名のシールを貼らないで曲が弾ける指導法も近々の課題でした。ドイツで仕入れた知識より、黒鍵だけのペンタトニックで自由に演奏することからスタート、黒鍵が二本と三本の塊になっていることを伝え、そこから音名を探す遊びを考え、各々の音の位置が鍵盤上で把握できるように導入する方法を進めて行きました。今年少しずつ現場で実践と研究を積み重ねて来たこの指導方法をまとめ、DVDと教則本にすることができたことはとても嬉しいことです。

瓜生郷子 「太鼓との出会い」
 ここで打楽器奏者である私の太鼓との出会いを記す事とします。我が家は転勤族で中学3年のとき、大阪の高槻市から横浜に移り港南中学校に転学しました。受験期真只中の私はクラブ選択を以前と同様陸上部としましたが、その中学校の吹奏楽部は関東大会常連。ある学校行事でその発表に接した私は女子部員が演奏していたティンパニーに魅了され、高校へ行ったら吹奏楽部に入ると心に決めました。早速進学した学校で吹奏楽部を目指すのですがそこにあったのは有名な広岡徹也先生率いる名門マーチングバンド(金管バンド)。学校は中高一貫校で私は高校からの編入でしたので、すでに経験を積んでいる後輩と同級生に囲まれてのスタートとなりました。たまたま背が高い編入生二人がシンバルと大太鼓の担当と指名され、私はシンバル担当となり20インチと格闘する日々が始まりました。その後はグロッケン、小太鼓、打楽器アンサンブルでは念願のティンパニー、いろいろな打楽器を経験することができました。これが私の打楽器人生のスタートです。

瓜生郷子 「打楽器奏者と幼児教育」
 大学は東海大学文学部西洋史学科に進学しました。その秋、高校時代の音楽仲間に誘われ国立音楽大学の学園祭で大学オーケストラの演奏を聞きました。曲目は冒頭からティンパニーが活躍する有名なブラームス交響曲1番です。

 この時、私のティンパニー好きは再び刺激されて、演奏活動なしの平凡な大学生活に飽きていた私は、何が何でも音楽大学に転向したいと希望し、オーケストラの打楽器奏者を目指すべく専門家の先生の門を叩きました。そして再び転学、NHK交響楽団の小林美隆先生に師事し、桐朋学園音楽大学でオーケストラ三昧の学生生活を過ごすこととなります。在学3年目の頃からは幸運にも群馬交響楽団に常時エキストラとして演奏できるチャンスをもらいプロの打楽器奏者としての活動が始まって行きます。

 当時はまだ在京のオーケストラでは打楽器に女はいらないという風潮がありましたが、少しずつ女性奏者も仕事がいただける時代に変わって行きました。(当時のオーケストラの団員募集には打楽器は男性に限るとの但し書きがついていたのです)

瓜生郷子  時を同じくして私はマーチング経験者として子供達に打楽器やドリルを教える仕事も、パール楽器の教育開発部門の福住政博氏のアシスタントとして始めました。このことが現在の幼児音楽教育指導をするきっかけとなったのです。その時に福住氏からこどもにリズムを歌わせる導入方法を学んだことが発展して、長きに亘り私の興味の根幹を占めております。

 先に述べたヨーロッパでの体験を経て、現在私が重点を置いているのはリズム唱です。それぞれの言語で音の長さの表現が違うこと(四分音符=タァー・タンなど)、江戸末期に西洋のリズム楽譜の四分音符を「とん」と読んだ経緯などリズムに関しての興味はつきません。

瓜生郷子

瓜生郷子著

鍵盤楽器への導入《DVD付き》 【鍵盤ハーモニカ・キーボード・木琴・鉄琴などのために】


鍵盤ハーモニカ・キーボード・木琴・鉄琴などのための、こどもたちが魔法のことばで楽しく覚える教則本! DVD付きでわかりやすく解説!

4歳くらいのお子さんをお持ちで、ミニ鍵盤などでお母さまが子どもに自分で教えようと思う方には最適です。

こどもたちは、楽器を演奏することが大好きです。そして、メロディを弾けることに興味津々です。覚えた階名( ドレミ…) を楽器で奏でられるのはとても素敵なことです。
また、演奏ができるようになった曲は、いろいろな所で披露したいと意欲をふくらませ、それに伴っていろいろな楽器を演奏してみたいと思うようになります。
音名が書いてある楽器に慣れているこどもは、最初の音を教えてもらっても音が飛ぶところになるとたいていは止まってしまい、そこからは探り弾きとなってしまいます。
また、ふだん使っている楽器に色が貼ってあり色だけで覚えているこどもは、違う楽器での演奏はますます難しくなってしまいます。
小さなこどもでも、音名の書いていない鍵盤で演奏できないものかと試行錯誤をして、こどもが楽しく遊びながら鍵盤の位置を覚えられるように工夫してみました。
この導入法では、「魔法つかいから教えてもらう4 つの呪文」黒鍵から白鍵の音を見つけだす4 曲のうた…を楽器や紙鍵盤で触れるようにします。
そして音が書かれていなくても音探しができるようになり、鍵盤楽器であれば、違う楽器でも覚えた曲を演奏出来るようになります。
この方法はクラス単位での導入にも向いていますから、いろいろな方々にヒントとしてお知らせできれば幸いです。


瓜生郷子

瓜生郷子【うりう・きょうこ】
東海大学文学部で西洋史を専攻。
1979年より桐朋学園大学音楽学部にて、打楽器を小林美隆氏に、マリンバを安部圭子氏に師事。在学中よりオーケストラ、アンサンブルなどの演奏活動をする一方、パール楽器・幼児教育部門の講師として活動。
1991年よりドイツ・フライブルグ国立音楽大学に於いて、打楽器をベンハルト・ヴゥルフ氏に、同時に子供のための音楽表現教育指導法をマルティナ・ヤコビ氏に師事。
1995年、オーストリア国立音楽芸術大学モーツァルテウム・カール・オルフ研究所主催の国際音楽教育セミナーに参加。これ以降オルフの提唱した「音楽と動きの教育」のメソッドを軸とした「早期音楽表現教育」の研究活動に重点を置く。

現在、音楽教室、幼稚園・保育園に於いて様々な音楽指導を行っており、個別性を重視した音楽表現教育に取り組んでいる。また、幼稚園教諭、保育士、音楽指導者に向けた講習会で、鍵盤楽器への導入法、リズム遊びの展開など色々な指導法を紹介。

新島学園短期大学コミュニティ子ども学科兼任講師、「うりう音楽教室」主宰。日本音楽表現学会会員




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